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思わぬ公認

私と父さんが喧嘩をしてるとぽつり、と母さんが言う。
その母さんの視線の先にはその発言に驚く蓮の姿。
 
 
゙レンちゃん゙とは何の事だ?
何故母さんが蓮の事知ってんの?
頭の中で疑問符が浮かぶ。
 
 
 
「レンちゃんそっくり!ああ懐かしい!」
「…は、い?」
 
 
 
母さんはそう言って蓮の手を握る。
目をまん丸くして口を開ける蓮。
理解不能、つか懐かしいって何よ?
 
 
 
「この子、初彼のレンちゃんに似てるわ!」
「え、ママ…俺が初彼じゃないの?」
「レンちゃん、食当たりで亡くなったのよ…」
 
 
 
何かを思い浮かべる様に語る母さん。
何だか悲しそうな表情を見せた。
 
でも食当たりで死ぬとか新手のコント?
正直笑いそうだったが頑張って堪えた。
父さんは何か落ち込んでる、ざまあ。
 
 
 
「若い頃の記憶が蘇るわねえ」
「つかいい加減に蓮の手離せよ」
「名前まで同じね。何時から此所に居るの?蓮くん」
「え、あ、昨日からですが…」
「もっと早く教えなさいよ、明」
 
 
 
いやそんな事言われても困るんだけど。
戸惑う蓮、手振り払っても良いんだよ。
まあ、母さんは怒ってはなさそうだった。
 
 
父さんは…部屋の隅で体育座りをしている。
私は見ない事にした。
 
 
 
「こいつ行く所無いんだよ。だからさあ」
「それは可哀想に、じゃあ一緒に住みましょう」
「あ…有り難う御座います!」
 
 
 
にこり、と蓮は母さんに向けてまた1つ笑う。
何か…嘘臭い笑い方だ、腹黒そう。
 
つか許可するとは思わなかった、好都合。
じゃあこれで親公認な訳っすね!良かった!



父さんは…肩を落として部屋を出てった。
私は見送る事にした。


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