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心配は不要

ダラダラと歩いてるうちに蓮は私の腕に注目。
不機嫌そうな表情を浮かべてたので気になった。



「何?どうしたの?」
「その傷、どうしたんですか」
「え…?」
 
 
 
どうやら女子からの暴力での傷を見てた様だ。
心配でもしてるのか?同情されるのは嫌いだ。
まあ、別に傷なんて転んでもつく物だし。
 
そんな気にする事じゃないだろう。
 
 
 
「別に…転んだだけ」
「嘘は止めて下さい」
 
 
 
蓮がピタリ、と止まって私の肩を掴んだ。
妙に真剣で、本当に心配するかの様に言う。
馬鹿みたいだ、どうせPCの癖に。
 
 
 
でも、どうもその表情に嘘は吐けなかった。
これ以上心配はかけたくないと思って。
PCのくせに私を動かせるなんて生意気だ。
 
 
 
「私、虐められてんの」
「…本当ですか」
「この傷が証拠だよ」
 
 
 
ね?と私は蓮に言った。
何か蓮はそれを見て泣きそうになった。
馬鹿じゃないの、数日しか関わってないのに。
 
 
 
「ほら、もう直ぐ本屋着く」
「虐めだなんて汚ならしい根性ですね」
「まあね」
「謝らして跪かせてやりたい」
 
 
 
こいつ凄い事言うな…と横の蓮を見る。
うおお、何時もの腹黒そうな笑い方だ。
本当にやらかしそうである意味怖いぞ。
 
色々想像して苦笑いを浮かべてみた。
ああ本屋に着く、蓮と歩くのは面白い。
 
 
 
 
 
「ネぇ、あれ澄谷じゃねえ?」
 
 
不意に、背後から声が聞こえた。
私の苗字を誰かが呼んでいる。


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