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04

「姫楽桃汰くんに村上俊樹くんだね?」
「あ、はい」
「ようこそ、紅葉学園へ。
さぁ、座って」
「失礼します。」

なんというか、理事長が思いの外若くて驚愕した。
見た目まだ三十代くらいだ。
漆黒の艶やかな髪をオールバックにしていて、かなりの美形さん。
大人の色気というものが分かるお手本のような人だなーと思った。

「さっそくだけれど、この学園の説明を始めていいかな?」
「はい、お願いします」

理事長の言葉に一つ頷いて、ペコンと頭を下げると、理事長は目を細めて穏やかな笑みを浮かべた。
うわー可愛いー。

「実はね、我が紅葉学園はあまり外部生がいないんだ」
「え、そうなんですか?」
「入っても、この学園に馴染めなかったりですぐに自主退学してしまう子ばかりで……」
「……自主退学、ですか」

こんなに設備が整っているのに。

「うちは少しばかり変わっているからね」
「あー……同性愛者とか、ですか?」
「それもあるけれど、うちは金持ち学園とも呼ばれていてね。」
「……まぁ確かに。至る所で無駄にお金かけてますよねぇ」

チラリと理事長室を見渡せば、理事長は困った様子で苦笑した。

「そうだね。
家が金持ち、というだけで色々と個性のある子ばかりになってしまって。」
「なんとなく、わかります」
「金持ちでない子を見下したりする子もいるから、今回の話はかなり悩んだんだけど……」

眉を八の字にして話す理事長は、ああ……本当にこの学園やここの生徒が好きなんだなぁって思った。






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あきゅろす。
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