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 □ ■ □


「着いたー」
「着いたねぇ」

あれからもう一時間、ようやく学園まで辿り着いた俺と俊樹は、無駄に大きい門の横にぽつんと付けられているインターホンを押した。

『どちら様でしょう』
「あ、俺今日入寮する予定の姫楽桃汰です。村上俊樹も一緒にいます。
遅くなってしまって申し訳ありません」
『ああ、外部生の。
――少々お待ち下さい。今門を開けますので』
「はい」

インターホンを切った瞬間、門がギギギ、と鈍い音を響かせて開いた。
少々も待ってないよ。

「姫楽桃汰くんと村上俊樹くんですね。
はじめまして、私ここの守衛をさせて頂いている、藍施衛と申します。」
「姫楽桃汰です。よろしくお願いします」
「村上俊樹でーす」

語尾を伸ばすな。なんだそのふざけた挨拶は。と叱ってやりたかったが、それは脳内のみに留めておいた。

「こちら学園の地図になります。今日は理事長からお話があるだけですので、ゆっくりして下さいね」
「ありがとうございます」

にこりと柔らかく微笑む藍施さんは美人さんだった。
癒されるなーこの人。
疲れきっている今の俺にはこの人の笑顔はかなり効いた。
危うく惚れてしまうかと思った程だ。






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