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02


「何かあれば言えよ?」
「ん。ありがと」

ニヤリと人の悪い笑みを浮かべる東雲 壱也。
けれど俺の頭に乗る大きな掌はひどく優しい。

「桃汰」
「ん?」

一番最初に声をかけてきた親友、相馬 零。
コイツとは本当にいつも一緒にいたなー

「お前、声気をつけろよ?」
「はいはい。何回目?
大丈夫だよ、俊樹の前でだけにするから」

零が言う"声"とは俺の地声の事だ。
色々あって普段の生活でも地声を出さないようにしているが。

「トチんなよ」
「はいはい。」
「零って本当とーたには過保護だよな」
「アー? テメェはうるせーよ」

いや喧嘩売るなよ、零。
良佐の言う事は一理あるぞ。

「ところで、聞くタイミング逃してたんだけどさ」
「うん?」
「桃汰の行く学園て、何処?
なんて名前なの?」

いつでもマイペースな武彦は、のほほんとした雰囲気を醸し出しながらそう聞いてくる。
あれ、言ってなかったっけ?

「紅葉学園ていう所だよ」
「紅葉!?」
「知ってるの?」
「知ってるもなにも……あそこは別名ホモ学園て呼ばれてんだぞ?」

――あー……ね。
幼なじみに聞いたから知ってるよ。

「うん。でも、俊樹にお願いされちゃったから」
「相変わらず幼なじみに甘いなお前は」
「ハハ。まぁ可愛い弟みたいなもんだし」

我が儘で甘えたで、女王様気質だけど。





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あきゅろす。
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