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プロローグ

黄昏れ、なんて言葉は似合わないと俺自身自覚はしている。
けれど、今日は似合わねぇなんて言わないでくれ。
三年間通った中学校とおさらばの日だ。
仲の良かった奴らとも、通う高校が違っちまって。
俺は幼なじみと二人、山奥にある全寮制の金持ち学園に入学が決まった。
頻繁には会えなくなるであろう友に寂しさがじわりじわりと胸に浸透する。
四月から、もうアイツらと馬鹿みたいには騒げない。
同じ教室にも同じ学校にもいなくなる。

「桃汰」
「零……に、みんなも」
「今日で最後だな」
「……うん」

いつの間にやら。
俺が黄昏れていた屋上には仲の良い連中が勢揃いしていた。

「荷物の準備はもう出来た?」

穏やかな、優しいという事が全体に溢れている親友、三上 武彦がニコリと笑いながら聞いてくる。

「明後日出発だからのんびりやるつもり」
「そっかー」

ふわふわした笑顔は密に俺の癒しだ。相変わらず可愛い奴め。

「桃汰ーメールとか電話しようなー」
「もちろん!!」
次にわんこ属性な親友、辰巳 良佐が見えない耳と尻尾をしゅーんと垂れさせながら聞いてくる。
萌えってどういう事かよくわかる奴だよ、お前は。






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