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07


あれから寮へとやって来た俺達は、管理人のお兄さんにカードキーを貰って部屋に向かった。
残念ながら俊樹とは同室じゃない。
でもまぁ向かいの部屋だし、別にいいか。

「じゃあ俊樹、後でね」
「うん」

後でと言ってもすぐ食堂行くんだけどさ。
とりあえず、同室者に挨拶くらいは済ませとかないと。
これから一緒に暮らすわけだし。

「うわー。中も広ぇなー」

玄関からして広い。
二人部屋にこの広さは無駄だよ、理事長。

「あ"? 誰だテメー」
「あ、ども。同室者になる姫楽桃汰。よろしく」
「同室者……ああ、お前が」

ふーん。とか言いながらジロジロ見られる。
つうか、美形だけどちょっと恐面だなー。見るからに不良の匂いがする。

「平凡だな……」
「まぁ、平凡だけど。中の上じゃない?」
「ああ、それレベル」

おい、レベルて。
まぁ美形に言われたら何も言えないけど。

「それより不良くんの名前はー?」
「誰が不良だテメー」
「あ、違うの? ごめん。」
「違わねぇけど」
「なんで否定したのさ」

意味わかんないよ、このわんこ。

「うっせー。」
「はいはい。それでお名前は?」
「白城篤志」
「あっくんか。」
「誰があっくんだコラ!!」

えー!? 親しみを込めてあだ名で呼んであげたのに、なんで胸ぐら掴むの?

「ちょ、あっくん暴力反対……かも!?」
「かもってなんだよ!! つうかあっくんて呼ぶんじゃねぇ!!」
「え、でもほら。あだ名だし」
「そんなあだ名はいらねぇよ」

可愛いと思うけど。
そうポソリと呟いたらあっくんがまるで般若みたいな顔して俺を睨んだ。
……意地でもあっくんと呼んでやる。





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