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06


「気付いてたのかい?」
「僕だけじゃないですけど。」
「俊樹だけじゃないって?」
「相馬達も気付いてたから」

……マジでか。
本当に俺だけ気付いてなかったのかよー。

「本当はね、相馬くん達にも声をかけようか悩んだんだけれど、うちの学園を希望しなかったのは特別来たいという意思もないのかと思ってね」
「やー声かければ来たと思いますよ」
「そうなのかい? それは……惜しい事をしちゃったかな」

俺と俊樹は元々この学園を志望してたしなぁ。
って言っても、最初は俺もアイツらと同じ学校に行くつもりだったんだけどね。

「まぁ、俺も俊樹も神経図太いんで大抵の事は平気ですよ。な?」
「うん。僕は平気」
「ありがとう。
それじゃあ、寮の説明に入るね」

ニコリと嬉しそうに笑った理事長は、ゆったりとした口調で話し出す。
その後一時間くらい色んな説明を聞いて、俺達は理事長室を後にした。
可愛い人だったなー理事長。何よりあの穏やかな雰囲気がいい。

「優しい人だったね」
「うん。良い理事長だね」

なんか既に大好きです、と叫びたいくらい好きだ。

「ね、部屋確認したら荷物整理の前に食堂行こー?
僕お腹空いちゃった」
「そうだね、そうしようか」

俊樹の頭を撫でながらニコリと笑えば、俊樹もふんわり微笑んだ。
この子本当に同じ男の子? 可愛すぎー。





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