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「この空の下で」
孤独
あたしは誰からも愛されない。必要とされない。バケツの底で、腐っていくだけなんだ。けどね、言ってやりたい。叫びたい事は山ほどあるんだ。今の生活を続けるくらいなら、死んだほうがまし。あのエロジジイのいる施設を逃げ出したのはいいけど、選んだ男が大間違いだったわよ。17でバツイチ、でもなんでもいいわ、これはチャンスだ。ここから逃げ出せる、東京に行こう、この人についていこう。

「ユミ、大丈夫かい?」

大丈夫、あたしは決めた。ねぇ、車出して、早く出よう。ラジオかなんかかけて、ガンガンに。



最初のパパは顔も覚えてない。ママが難しい病気で倒れて、いなくなっちゃった。二人めのパパはママが死んだ時にやっぱりいなくなった。かわいそうなママ、あたしが男にしかえししてあげるから。みんな、いなくなっちゃう、あたしはいつも、一人。



預けられた家を逃げ出して、おなかが空いて、畑のねぎを盗んで食べたわ。まずかった。もうねぎなんて一生食べない。喉が渇いて、海の水をすくって飲んだの、死ぬかと思ったわ。かわいい子猫ちゃん、ジジイの機嫌を損ねてめちゃくちゃにされて畑に捨てられて


「着いたよ?ユミ、泣いてる..?」


夢、だ、嫌な記憶、ううん、大丈夫。


騒音、たくさんのビル、福島にいた頃じゃ考えられなかった景色。

ここで、あたらしい生活が始まるんだ、とりあえずは、こいつと。

「後悔してない?」

いまさらこいつは何を言い出すんだろう。

してるわけないし、今のあたしは前しか見れない。

なんだってやって生きていってやる。

ここまで連れてきてくれて、しばらく安全な宿を提供してくれて、しかもタダで。ホントにありがとう、お礼は体で払うわよ。


好きな事ができるんだ、

昨日までのきもい束縛されっぱなしの生活は忘れよう。

まずは仕事を探して、この殺風景な部屋を飾ってあげる。


楽しくなきゃ、生きてる意味なんてないじゃない。












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あきゅろす。
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