ウィルオウィスプ/序 魔法王国コヴォマカに設立された魔法学園「ウィルオウィスプ」 数々の卒業生が国の要職に就くこの学園では、ある噂がたっていた。 「ヴァレンシア海岸のキャンプでは毎年この夏に、誰かがいなくなる。」 そんな噂に立ち向かい、この王国を揺るがしたクラスがあった。 ひときわ強い結束力で結ばれたそのクラスは、 マドレーヌ先生が率いるエルのクラス。 これはそのクラスのリーダーであるエルの物語だ。 - LongVacation - 鐘が鳴る。 顔を上げて窓越しに景色を見ると、夏の風が頬をくすぐった。 魔法学園「ウィルオウィスプ」職員室。 あの長い夏から随分経ち、私は今年でこの学園を卒業する事になった。 先生の資格を取ったものの、この先の何をするのかは全く決まっていない。 先生の道を目指すか、求道の道に入るか、長い旅に出るか、そう考えていた時だった 亜空軍の存在を知ったのは。 [次へ#] |