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透、風紀を守る! 5
 後続の不良が転がった仲間に蹴つまづき、下敷きになった男が「ぐえっ」と呻いた。つまづいた男は慌てて体勢を持ち直し、なおも逃げだそうとする。

「往生際が悪いなぁ」

 俺は片手でその男の腕を捻りあげ、跪かせた。

 その隙に下敷きになっていた男が逃げ出そうとしたから、足で踏みつけた。

 土足は可哀想だと思って、靴は脱いでから踏んでやった。

「さっすが、余裕あるなトールちゃん」

 見物を終えた沢木は、ケタケタ笑いながら玄関へと向かって行った。

「わ、すごいねぇ足達君」

 不良を確保して引きずって来た篠原先輩が、二人取り押さえている俺の姿を見て歓喜の声を上げた。

 裏門の見張りをしていた木戸先生がやってきたので、遅刻者を引き渡し、俺は先輩と共に校舎へと戻った。

 遅刻が3回目だった不良3人は近いうちに特別補習が命じられ、さらに逃走した罰としてグラウンド10周、と篠原先輩は言った。

 それをサボると単位がもらえず卒業できないらしい。

「足達君、今日はありがとう。本当に助かりました」

「確かに一人だと難しいでしょうね」

「うちの学校は特に、他の学校より遅刻者が多いようですから」

 篠原先輩と俺は、顔を見合わせて少し困ったように笑った。

「足達君には迷惑かもしれませんが、僕は足達君が委員会に入ってくれて嬉しいな。あまりこの学校にいないタイプですから」

「ですよね。俺も先輩みたいな人がいて、ホッとしました」

「本当? 良かった。次の当番日もよろしく頼みますね。それから、金曜の放課後は見回りをすることになっています。いきなり忙しくて申し訳ないのですが……」

「大丈夫です。少しでもお役に立てるよう、頑張ります」

 俺が片手でガッツポーズを作ってみせると、篠原先輩も微笑んだ。

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あきゅろす。
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