・西野コンビ高三編3
「少なくとも3発だ? 何バカにしてくれちゃってんの。お前らのハエみてーなパンチ、俺でも余裕で耐えられるっつーの。当然、西山はもっとつえーし」
そう言い放った俺に、林がにやりと笑った。
「吠えやがったなぁ、この腰巾着が。その度胸に免じて、お前にも賭けてやんよ」
林がそう言うと、椅子からは解放された。だけど、手は後ろ手に縛られたままで。
はは、煽ったら逃げるチャンス出来るかなと思ったんだけど。ちょっと後悔。
でもまぁ、意地でも3発は堪えてみせるよ、シンちゃん。
気が付いたら、シンちゃんが俺の顔を心配そうに覗き込んでいた。
「あれー、シン……西山? あだっ、あたたたた」
「無理すんなよ」
「説教タイム、終わったの」
「うっせぇ」
辺りを見回すと、どこかの裏路地のようだった。
「助けに来てくれたんだねぇ」
「ああ。つーか、強力な助っ人が現れてな」
「助っ人って?」
「芹沢」
「へっ?」
ポカーンとしている俺の顔を見たシンちゃんは、バツが悪そうにして俺の頭をくしゃりと撫でた。
「アイツ、やっぱつえーわ。敵わねぇ」
そう言って俺の顔をそっと撫でる。アザになっているようで、痛みが走った。
「そろそろキューちゃんが狙われる気はしてた。守ってやれなくてごめんな」
「俺、男だっつの。これくらい平気に決まってるじゃんか」
「だよなっ。ワリィ」
そう言って、シンちゃんは悪戯坊主みたいに笑った。
ああ、やっぱりシンちゃんは格好いいなぁ。
後から俺の母さんから聞いた話だけど、発信器をネット通販で買おうとしたのがシンちゃんのお母さんにバレて、折檻されてたらしい。なはは、バーカ。
ま、俺のため、だったらしいけどね。俺もわりと愛されちゃってるよね。
***
はい、鷹見の大好きな友情ものです。ええ、友情もの(遠くを見ながら)
義家君は『発展途上少年』に登場予定です。
(2011.11.1拍手)
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