同じ過ち 2 翌日、小山内に誘われて一緒に昼食を取ることになり、母に適当に服を組み合わせてもらった。 グレーの半袖ボーダーシャツに白の七分丈パンツの組み合わせは、見た目からして涼しげでなかなか良い。 だが、「眼鏡焼けしちゃうわよ」と眼鏡を奪われ、またもや使い捨てコンタクトを入れられたのには参った。 合流した小山内は、俺の姿を見て目を丸くした。 「あー、これがクラスの女子が騒いでた幻の『芹沢君の彼女』かー」 「……俺はそんなに女みたいだろうか?」 「女みたいっていうか、とにかく細いよねー。手足や首筋が出ると際だつんだよ、きっと。でもまぁ、顔は普通」 そう言って小山内はケタケタ笑った。 「取り立てて特徴のない顔だからな、俺は」 「化粧したら見栄えしそうだけどね。太田君のお姉さんもお母さんも美人だし」 「まぁ、確かに姉貴のスッピンは普通だが」 「うちの妹が最近化粧に目覚めちゃって『お前誰だ?!』って感じだよ」 そんな話をしながら連れて行かれたのは、こじんまりとしているがお洒落なイタリアンレストランだった。 場違いな気がして気後れしつつも、小山内の後ろをついて行くと…… 「いらっしゃいませ……ウッ?!」 俺たちを出迎えて、固まったのは芹沢だ。 「お、俺……どこの店でバイトしてるか話してたか?」 「いや。俺も小山内君に連れられてきただけで……」 小山内はニコニコと笑っている。 偶然……ではなさそうだな。色々と怖い考えが頭をよぎったが、深く考えないことにした。 「芹沢君、その制服いいね!」 「そうだな。すごく似合っている」 小山内の言葉に同意すると、芹沢も「そうか?」と首をかしげながらまんざらではなさそうだ。 ピンタックの白いスタンドカラーシャツに黒のスラックス。そして腰には黒のソムリエエプロン。 男から見ても、格好いいと見惚れざるを得ない。 [*prev][next#] [戻る] |