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違う過去 1
 衣替えのシーズンが終わったと思えば、すぐに期末試験の時期になった。

 中間テストではかなりシンプルな点数を叩き出していたらしい芹沢は、俺の付きっきりの指導により、今回は何とか回答欄を全て埋めることは出来たようだ。

 芹沢は「鬼を見た……」と少し俺を見る目が変わったようだが。

 期末試験が終われば夏休みも目前なのだが、休み明けの球技大会のためのチーム分けが試験最終日のHRで行われた。

「球技大会なんか、かったるいからフケようぜ」

「かったるいのは同感だが、そうもいかないだろう」

「チェッ。……じゃ、お前と同じのに出るかな」

 芹沢参戦ということで、クラスの士気が俄然上がった。芹沢の運動神経がいいのは周知の事実だからだ。

 結局、芹沢のフィジカルの強さを活かそうということでサッカーになった。当然ながら、セット扱いの俺も。

 サッカーは運動量が多くて、可能な限り避けたい競技だったのだが……くっ。

「まあ……俺は端っこの方でウロチョロしていればいいか……」

 ため息をつきながらそう言うと、芹沢の目が光った。

「フッ……試験勉強の時は散々お世話になったからな。任せろ。付きっきりで鍛え上げてやる」

「げっ?!」

 完全にお礼という名目の復讐だ。間違いない!

 目で小山内に助けを求めるが……。

「もちろん僕も手伝いますよ。そんなオイシイ状況げふんげふん」

 コイツに助けを求めた俺が間違っていた。

「小山田はサッカーできんのか?」

 芹沢がそう聞くと、小山内は苦笑しながら頷いた。

「こう見えて僕、小学からサッカーチームに入ってたんで。ちなみに、僕はオヤマダじゃなくて、オサナイです」

 見た目は平凡な小山内だったが、実はイラストだけではなく、何でも器用にこなす万能タイプだった。

 どうやら今年の夏は、過剰に暑くなりそうだ……。

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あきゅろす。
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