同じ夢 7 翌、日曜日。 俺が学ラン着用で芹沢を迎え入れると、ヤツはギョッとした顔をした。 「お前、これから学校でも行くのか?」 「……いや、学ランが似合うって昨日キミが言ったから」 俺がそう答えると、芹沢はブハッと吹いた。 「ギャハハ、ジョークだっつっただろ。着替えて来いよ」 「……そうか。わかった」 俺は悩んだ末に、高校のジャージを着た。 「何故またジャージ……」 「すまない。ジャージと下着以外はほとんどが姉貴のお下がりなのだ。キミはあまりそういうのを好かないようだったのでな」 「なんだ、気を遣ってたのか……」 芹沢は呆れていた。 「そのうち、私服選ぶの手伝ってやるよ」 「えっ、いいのか」 「今回はえらい世話になったからな。……あ、金は出せねーぞ。貧乏だから。他に俺が出来るコトもねーからな」 「……いや、その……言ってもいいなら、ひとつ頼みがあるのだが……」 「何だよ」 「身体の鍛え方を教えてくれ」 俺がそう言うと、芹沢は大爆笑した。 「ギャハハハ、貧弱気にしてんのか。あー、お前に勝てるトコをようやく見っけた気分」 「そうなのか? 俺はキミに勝るところの方が少ないと思っていたのだが」 「ア?」 「キミは強い、スタイルがいい、お洒落でイケメン。優しいし、愛らしいし……」 「うわーっ、待て待て。何だその愛らしいって」 「そうやってすぐ赤くなるところ」 芹沢の顔を指さすと、ヤツは焦ったように顔を左手で隠し、右手で俺の頭を叩いた。 [*prev][next#] [戻る] |