同じ道、同じ言葉 30 期末テストも終え、冬休みを間近に控えて。 皆慈の叔父さんの誘いで、クリスマスイブには居酒屋の座敷を借り切ってパーティーをすることになった。俺の両親と姉貴夫婦もお呼ばれしている。 友達も呼んでいいと言われたのだが、小山内と瀬名は親の実家に行くそうで、飛鳥はバイトで無理だった。 皆慈は少し浮かない顔をしていた。 「どうした」 「……毎年、叔父貴の家族も本家のパーティーだかに呼ばれてたはずなんだ」 きっと、自分の一件で芹沢の名に泥を塗ったから呼ばれなくなったのだと。 ソファに座っていた皆慈は、そう呟いて俯いた。 俺はその後頭部をベシッと殴る。 「キミの叔父さんはそんなことを気にするような男じゃない。むしろ、胸を張っているに決まっている。違うのか」 こちらを見上げた皆慈は、ぐっ、と口を引き締めた。 「……違わない」 「だろう? まぁ、クリスマスといえばプレゼントである。叔父さんのお子さん達に、何か一緒にプレゼントを選ぼう」 「……だな」 皆慈はこくりと頷いた。 「やっぱ特撮かアニメ関係が無難であろうか」 「今時の子が喜ぶかぁ?」 「俺は喜ぶぞ」 「ギャハハ、ガキめ!」 皆慈が笑って、少しホッとする。 ――そうか。 クリスマスは叔父さんもキミの傍にいなかったのだな。 聖なる夜にいつもひとりだったキミに、俺は何を贈ろうか。 [*prev][next#] [戻る] |