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同じ道、同じ言葉 17
 部活単位では、出店をやっているところが多い。

 我が剣道部は人数が少ない上に、部員の半分が風紀委員として見回りにかり出されているので、特にこれという活動はなかったが。

 ふと足を止めた皆慈に気がついて、その視線の先を追うと、わた飴が売られていた。

 夏休みのお祭で初めてわた飴を食べた皆慈は、「ただ甘いだけで、スカスカじゃん」とぶつくさ言っていたのだが。

「セバスチャン、わた飴が食べたい」

 俺がそう言うと、皆慈は「仕方ねぇなぁ」と言いながらも少し笑って、ポケットから小銭入れを取り出した。

 わた飴をひとつ買って俺に渡そうとした皆慈だったが、ふと思い出したように、わた飴を小さくちぎって俺の口元によこした。

 …………見ず知らずの人間がたくさんいる中で、公開羞恥プレイをしろと?

 意外とノリノリなのだな、キミ。

 俺もわた飴を引きちぎって皆慈に差し出すと、嬉しそうにパクッと食べた。躊躇なしか。ある意味尊敬するぞ。

 仕方なく、俺も皆慈の指からわた飴を口に含む。……甘い。

 途端に第二弾が来る。俺もムキになってわた飴をちぎり皆慈に押しつける。お互い無言でパクパクと食べまくった。

「……お前ら、やっぱデキてんの?」

 不意に声をかけられ、我に返った。

 すぐ横に赤い髪の男、《シエル》の早川が立っていた。今日は私服で、スポーツブランドのキャップを深くかぶっている。

 その後ろから西山と久野、そっぽを向いた飛鳥が姿を見せる。

「ぶっはははは、ホントに猫耳ついてる! 有言実行の男だな、セナって!」

 西山は俺たちを指して大爆笑だ。

「早川とは校門のとこでバッタリ会ったんだよね」

 久野がそんなことを言う。

 早川には、林に拉致された時に随分と世話になったし、皆慈を探していた時にも少し手を貸してもらった。その時に初めて俺が男だと気がついたらしく、かなり驚いていたようだったが……。

 俺は慌てて溶けたわた飴で汚れた指を舐めると、ペコリと頭を下げた。早川はあごに手を当ててマジマジと俺のゴスロリお嬢様姿を眺めると、

「清楚とエロスが融合してるな……」

 などとアホなことを言い出して、西山と久野が「同感!」とまた笑った。

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