同じ道、同じ言葉 12 「お前それでテンション上がってんのかよ?」 「俺、この手の花火するの初めてだ」 「ええっ? マジかよ!」 西山の声に、みんなが一斉に皆慈の方を見た。 「驚くようなことか? あ、でも確かに夏になるとコンビニでもよく売れてんな」 線香花火の玉がポタッと落ちた。落ちてもしばらくパチパチと小さく火花が散るのを見て、皆慈はプッと笑った。 「うわぁ、この反応はマジだな」 西山が本気で驚いた。 「……皆慈。今度の週末は花火大会行かないか」 「人が多いからやだよ」 「出店とかもあるから、見て回ろう」 「……あ、俺一度、わた飴っての食ってみてぇ」 ふと思いついた皆慈の目が輝いた。 「リンゴ飴とかハッカパイプもあるぞ」 「ハッカパイプって何」 「笛つきのキャラクターに粉状のハッカ飴が入ってて、吸いながら食べるのだ」 「なんか飴ばっかだな……」 「チョコバナナとか焼きそばとかたこ焼きとかも売ってるぞ」 興味津々に話を聞いてる皆慈を見て、顔を見合わせる西山と久野。 「芹沢。お前、お祭行ったことねーの?」 「ねーけど」 「マジか。あ、去年、ハチコーの学祭でもわた飴とかチョコバナナ売ってたぞ、確か」 「へー。学祭、楽しみだな」 皆慈が照れくさそうに笑った。 「芹沢サン、今年の学祭は4人でゲームキャラのコスプレしましょーよ。俺、女刑事の相棒の殺し屋やるんで、芹沢サンはゴスロリちゃんの相棒の執事やってくださいね」 「は、ゴスロリちゃん??」 「うわー、うわー、瀬名君黙れ!」 昨年の学祭で、ゴスロリのコスプレした話は皆慈には言ってなかったのに……。 「今年は2Pバージョンで、猫耳としっぽもつけましょう!」 もう、ほんとに死ぬがいいよ、瀬名。 [*prev][next#] [戻る] |