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 東京っ子、しかも持病の喘息で一年遅れの転校生に声を掛け、温かく接してくれたのは笑美だった。


 笑美、笑美。いつも柔らかく笑ってた笑美。

 繊細な女性らしさ、小さな思い遣り。その陽だまりのような笑顔に触れると、何故か、どんな時も落ち着いていられた。


 大学でも、職場でも、彼女以上の友人は現れなかった。落ち込む事がある度、彼女に電話した。




 死んだ……。

 信じられなかった。



 頭が呆けたように何も感じられない。




 死んだ……。

 笑美が死んだ……。




 現実の事ではないような気がする。



 ガタンゴトン、ガタンゴトン……。

 列車は大井川を渡って行く。


 一ヶ月ぶりに富士を観た。











〜つづく〜






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