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二人の目が凍り付く。座卓の上には全く同じ白い封筒が並んでいた。同じ切手に、同じ郵便局の消印。片方は一昨日の日付だ。黒い印刷文字で、〈赤司邦瀬様〉と書かれている。
震える手でさくらが開くと、やはり半分に破られた写真が出て来た。
本来ならば、白いダウンジャケットのさくらが隣りで微笑んでいるはずの写真……。去年の正月、さくらと一緒に撮った一枚で、その春、大輔、笑美と共に、あのボックスに入れた写真の、邦瀬側の半分だ。
裏にはやはり〈南無阿彌陀佛〉の札。
笑美のものと同じく、首から上がない。
「今朝あっちのマンション出る前に郵便受け覗いたら、こいつが届いてたってわけ」
「つまり次は俺を殺す気らしいよ、その誰さん」
言いながら、邦瀬の端正な顔が皮肉に歪む。
「何よ、それ! ひとごとみたいに言わないでよ!」
さくらはヒステリックに叫んでグラスを投げ、邦瀬はとっさに身をかわした。ひるがえった水滴が、乾いた畳に琥珀の涙を降らせる。
「……明日俺、最近の笑美がどうだったか、綾から詳しく訊き出してみようと思うんだ」
大輔がぼそりと言った。
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