種な文章
禁じられた機体
「うーん・・・・最近、デストロイも狩り飽きましたわ。」
イザークとアーケードしようって話になったんで、格納庫をウロつき何に乗って出撃しようか・・・と考えてる俺になんだかとっても恐ろしいセリフが聞こえた。
気のせいだと本気で思いたい。
というか、誰でもいいから教えてやってくれ。
デストロイは狩るものじゃない。
もうこの恐ろしいセリフの犯人は誰かわかっているんだが、俺はあえてその場にあったMSの影からこそっと声の主を見る。
「ラクスったら相変わらず過激だね。もう惚れ直しちゃいそうだよ。」
「まぁ、キラったら。本当にお上手ですわね。」
やっぱり、声の主はあのピンクの悪魔(ラクス)だったか・・・・・。
つか、俺には何が上手なのはわからない。
『過激』ってのは褒め言葉になるのか・・・・・?
俺はそんなセリフ女に言えないけど・・・・・。
「あのさ、ラクス。いつもストフリだとか高コスト機に乗ってるから飽きちゃうんじゃないかな? たまには中コストとか低コストの使えない機体を使ってみるのもいいじゃない?」
こ、こいつ普通に使えない機体って言いやがった・・・・!
低コストはまだしも、中コストだって使える機体はいっぱいあるぞ!
いや、むしろこのゲームは中コストの機体がメインだと言っても過言じゃねぇ!
俺のバスターだってザクだって中コストだってのに・・・・・。
高コスト機を公式に使ってる奴にとって、中コスト機は使えないのか・・・・・・。
軽く、いやかなり凹んだ気分になりつつも俺は2人の様子を監視する。(覗きじゃないぞ、監視だからな)
「そうですわね。使えない機体でデストロイ狩り・・・・私の腕の見せ所ですわ。キラも一緒にやりましょう?」
「うん、いいよ。どんなのがいいかな。近接系? それとも火力重視の射撃系?」
火力重視の射撃系っつったら、やっぱ俺のバスターだろ。
あ、いや宣伝は置いといて・・・・・。
2人の会話からして、低コスト機はもう目じゃないみたいだな。
だって、低コスト機って基本的にどっちか偏ってるってことねぇし。
まぁ、スカイグラスパーとかメビウスとかは射撃武器しかないけどな。
「僕は近接系のSインパルスで行こうと思うんだ。」
え、Sストライクじゃねぇの? あえてインパルス?
つか、それってシンの機体・・・・・・。
「あら、ストライクではないんですの?」
「気分変えたくって。」
気分を変えたいってだけで理由でシンが自分の機体を貸すとは思えないが・・・・・。
ま、あいつからデスティニーを取り上げたしな。
というか・・・・・またシンから機体を取り上げる気なんだろうか。(前回参照)
「では、私は・・・・・Lストライクに乗りますわ。」
え、ちょっ・・・・・それは禁止機体!(←使えすぎるので、ゲーセンでは使ってはいけないっていう暗黙(?)のルールがある)
これは止めるべきかどうか・・・・そう悩む俺の背後から聞き覚えのありまくる親友の声がした。
「おい、ディアッカ。貴様、何をしているんだ? 何に乗るかもう決めたのか?」
「え、あ・・・・。」
ビックリして言葉が出ずに俺はよくわからんことを言って2人を指差した。
「あの2人がどーかしたのか・・・・・?」
そう言ってイザークもMSの影から身を隠すように2人を見る。
・・・・何気に行動似てんな、俺達。
「Lストライクでアーケードするんだってよ。禁止機体だし、止めた方がいいよな?」
「当たり前だ! 禁止機体なんだぞ!」
あ、バカ・・・・大声出したら2人に・・・・・・・・・・・。
気づかれた、目が合った。
折角隠れてたってのに・・・・・・。
「あれ、そんなトコで何してるの?」
歩み寄ってくる2人・・・・足音が妙に格納庫の中で響く。
「い、いやちょっと偶然見かけたかr」
「おい、貴様ら。Lストライクはアーケードでは禁止機体だぞ。そんなものを使うくらいなら・・・・ディアッカのバスターを使え!」
ブルータs・・・・・いや、イザーク、お前もか――!
なんでよりによって俺の機体を薦めるんだよ、ここはGザクとかBインパルスだろ・・・・・。
ほら、似たような武器あるじゃん?
この2人の手にMSが渡ればどうなることか・・・・・・。
ピンクにされてしまうかもしれないんだぞ!(参照)
「バスターだって、どうする?」
「いいですわね。では、それをお借りしますわ。」
「あぁ、だが近接武器がないから、気をつけた方がいい。後方でチャージショットしていると割と安全だ。」
ちょっと待て、バスターは俺の機体だ。なんでイザークが仕切ってんだよ・・・・・。
しかも、後方でチャージショットとかちゃんとわかってるし・・・!
「なるほど。アドバイス感謝いたしますわ。お礼に・・・・バスターを素敵にペイントしてお返ししますわ♪」
いやあああ、ピンクにされるうううう!!!!!!(前回参照)
「楽しみにしててね。」
そう言って上機嫌に去っていく2人・・・・・・。
楽しみになんてできるか、コンチクショウ・・・・・・。
「イザーク・・・・お前なんてことを・・・・・。」
「ん、もしかして貴様、今日はバスターに乗りたかったのか?」
少〜し申し訳なさそうな顔をしているイザークだが・・・・・・。
そんなのん気なことじゃねぇよ、もっと大変なことなんだ・・・・・。
「・・・・明日か明後日にでもバスターの様子を見るといいぜ。」
全てを諦めた俺の表情とセリフにイザークは訝しげな顔をするばかりだが、楽しみにしているといいさ・・・・・。
次の日・・・・・
「ディアッカ・・・本ッ当〜にすまなかった。」
「・・・・いいよ、ペイントしなおしてもらうし。気にすんな。」
あのプライドの高いイザークからの心の底からの謝罪。
その理由は・・・俺の目の前にあるピンク色の蹂躙されたバスターが全て語っていた。
襲撃・・・いや、終劇
コメント
Lストライクは肩のミサイルが強いのですよ。
まぁ、二人プレイのときにその強さがわかると思います。
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