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九龍受な文章

この子は何をしても一切抵抗しない。
 
泣きもするし、声をあげるけども、抵抗だけはしない。
 
僕がそうするように躾けたので、服を脱がすときも恥ずかしがる素振りはするけども抵抗はしない。
 
何か抗うような素振りを見せる度にすぐ抵抗する手を叩いて、『抵抗する子は嫌いです』と言い続けた賜物でしょうね。
 
ですが、今回はその躾もあまり意味を成さなかったようです・・・。
 
「やっぱり、いや・・・・それ、いやっ・・・・!」
 
仰向けに寝る龍さんに僕が馬乗りになって、今からどこに薬を塗ってやろうか・・・なんて思考している最中の抵抗。
 
先が読める能力で未来を見透かしたのか、強い感受性により僕の悪意を感じ取ったのか・・・・そんなことはどうでもいい。抵抗するということが忌々しい。
 
「いやっ・・・はなれてっ!」
 
がりっと何かを引っかく不快な音と共に僕の手の甲に痛みが走る。
 
血は出ていないようですが、龍さんの手が僕の手を引っかいたようですね。
 
じくりと鈍いとも鋭いとも言えない痛みが不快に走り続ける。
 
偶然でしょう、おそらく・・・・君が僕に故意で手をあげるなんて、ねぇ・・・。
 
「ご・・・ごめんなさ、あぁっ!」
 
今度は頬を張る乾いた音、僕はほぼ反射的に龍さんの左頬を打っていた。
 
彼の悲鳴にも似た声を聞いた瞬間、僕の心はなんとも言えぬ征服感と底の見えぬ支配欲で満たされる。
 
今まで自覚はしていなかったけども・・・やはり、僕はその方面の人間なんですね。
 
少し打った手が熱い。力加減をするのを忘れてしまったようです。
 
「痛かったですか?」
 
龍さんの涙に濡れ赤く変色した頬へ手を伸ばすと、僕はゆっくりと自らが痛めつけた部分を撫でる。
 
「でも、悪いのは君です。」
 
「・・・・は、い。ごめん・・・なさい・・・・・。」
 
理不尽で自分勝手な僕のセリフに再び頬を涙で濡らし、龍さんが涙に潤んだ声で謝罪する。
 
僕はそれに未だに熱持った頬へのキスで返すことにした。
 
すると彼の強張っていた全身が少し弛緩する。僕はこんなことで安心する彼が愛おしくてたまらない。

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あきゅろす。
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