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九龍受な文章

若干DV&調教。
苦手は人は注意。






窓を開けて校舎を眺めても風の音すらしない、そんな消灯時間を寸前にした夜のひととき。
 
今夜の僕には龍さんで遊んでやろうとか、寝る前に軽い嫌がらせでもしてやろうだとか、一切考えてなかったんです。
 
龍さんのセリフさえなければ。
 
「ねぇ、これなに?」
 
そう言って龍さんが手に取ったのは何やら液体の入った、手のひらにも簡単に収まってしまうほど小さい瓶。
 
中身は・・・まぁ、所謂媚薬です。
 
龍さんの部屋にあったレシピらしきものを見て、勝手に作ったものなので本当に効くのかなんてわかりませんけど。
 
「・・・・充?」
 
返事をしなかったせいで、僕が無視しているのかと思ったのか、龍さんが不安げに僕を見つめます。
 
「あぁ・・・すみません。他のことを考えてまして。その瓶の中身でしたら、媚薬ですよ。」
 
怪しさを微塵にも感じさせないように笑みを作って僕は正直に答える。
 
どうせ、『媚薬』の用途なんてこの子にわかるわけがないでしょう。
 
「びやく・・・? おくすり?」
 
ほう・・・薬だと察せたところは上出来ですね。
 
まぁ、何につかう薬かはわかっていないようですが・・・。
 
ちょうどいいし・・・試してみましょうか、その薬の効き目。
 
「ええ、薬です。使ってみますか?」
 
僕の提案に龍さんは少しびっくりした顔で、手に持っている小瓶と僕の顔を交互に見る。
 
「で、でも・・・私、びょうきじゃない。それに、おくすりって、にがいから・・・いや。」
 
「これは病気の為に使う薬じゃないんですよ。ちなみに、飲み薬でもありません。」
 
レシピらしきものには、塗り薬ような感じに書いてありましたのでね。
 
薬=病気のときに服用するものと思っていた龍さんに、僕の言葉は混乱を招くものでしかなかったようですね。
 
非常に困惑した顔で先程と同様に小瓶と僕の顔を交互に見続けています。
 
「ふふ、そんな困った顔をせずとも、使ってみたらわかりますよ。毒ではありませんので。」
 
含んだ笑いをして僕は龍さんの手から小瓶をすっと抜き取ると、微かにとぷん、と若干粘着性の重い水音が僕の耳に入る。
 
それを龍さんの好奇心と多少の不安を含んだ目が追う。
 
もうあと一息・・・・・さぁ、僕は早く君の口からその言葉が聞きたいんです。
 
「それ・・・つかってみたい・・・。」

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あきゅろす。
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