九龍攻な文章 1 ※未来捏造注意 心地よい日差しがカーテンを全開にした窓から差し込んでくる。 今日は天気予報によると降水確率0%の洗濯日和らしい。 勿論、洗濯物は既に外に干してある。夕方にはきっと乾いているはず。 そんなことを考えながら、こうやって家事をしていると、数ヵ月前のことが嘘みたいに思えてくる。 学校の地下遺跡に広がる日常とはかけ離れた世界。 そこにある《秘宝》を守って、あたしと彼は対立した立場にいた……今考えると信じられないわね。 ふっと左手薬指にはめている指輪を見つめて、そんなことを思う。 まぁ、あたしは最後らへん、彼は絶対『未来の旦那様』になるって信じてたけどね。 こうやって、一緒に住みだして3ヶ月くらい経ったけど、幸せの実感は薄れることなく日々濃厚になっていく。 永遠なんて存在しないと冷めた誰かは言うかもしれないけど、あたし達にはあると信じている。 でも、そんな思いはたったひとつのもので揺らいでしまった。 [次へ#] [戻る] |