九龍攻な文章 2 「九龍、おまたせ。」 お互い好き同士だけど、流石に着替えまで一緒にいるわけにはいかない。 と、いうことで九龍には悪いんだけど、あたしの着替えが終わるまで廊下で待っててもらっていた。 ガラリと部室の引き戸を開けた瞬間、九龍が随分と驚いた顔をしているのが目に入った。ここまでは完璧ね。 真っ白でひらひらふわふわのフリルのドレス、薄く透き通ったベールを頭に被って、胸には白い薔薇のコサージュ。 そう、今年の手芸部の作品はウェディングセット。 本当は首に真珠のネックレスを着けたかったんだけど、流石にこれは無理だし・・・ね。 「似合う・・・かしら?」 あたしの台詞に九龍の顔がいつもの優しい笑みに変わる。 「うん、可愛いよ。」 このあたしにしか見せない笑顔で『可愛いよ』って言われる瞬間が凄く好き。 今日のは格好のせいもあるのか、いつも以上にこの言葉が胸に響く。 残念なことに周りにいる生徒からの賛辞の言葉は右から左へ流れていってしまうけど。 「次は俺もスーツ着なくっちゃね。」 「えっ・・・?」 一瞬、九龍の言葉が理解出来なくて思わず聞き返すと、九龍はにっこりと笑って。 「次にドレス着るときは俺との式の本番でしょ。」 やっと言葉の意味を理解出来て凄く嬉しかったけど、素直に肯定するのは悔しいあたしは精一杯クール気取って揚げ足をとってみせる。 「・・・バカね、衣装合わせはどうするのよ。」 「あ、しまった・・・。」 カッコよく決めたつもりが完璧に外してしまった九龍に、周りからはクスクスと笑う声。 少ししょんぼりとしている彼がなんとも可愛く思えてしまう。 しょうがない、フォローしてあげるわ。 「衣装合わせ、付き合ってね。未来の旦那様♪」 「勿論っ!」 そう嬉しそうに返す九龍の学ラン姿が一瞬、白く凛々しいスーツ姿に見えた。 コメント ドラマCDを色々捏造&マイ妄想。 咲重ちゃんと結婚したいんだよ!!! ちなみに、これは部活の展示に出すんですが、テーマは「祭り」でした。 最初だけだよ、はははんwww [*前へ] [戻る] |