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どりーむな文章
ちらっ☆
今日は珍しく余裕を持って起きれたし、余裕を持って学校に来れた。

夜の9時に寝たおかげか? 自分でも槍が降るんじゃないかってくらいレアな現象だぜ。

俺が遅刻ギリギリどころか、全然余裕ありありの状態で学校来るなんて。

……でも、早く教室に来てもすることがない。

周りを見ても、マジメ系なあんまり喋ったことない奴が下向いて本読んだり、新学期が始まったときに買わされた教科書じゃないテキストを開いてカリカリしてる……。

流石に勉強してるのを邪魔するものなー……そもそも喋ったことすらねぇし、『よっ、おはよう!』なんて軽く挨拶出来るわけもない。

そんな俺はヒマでヒマで仕方なかったので、仕方なく窓から校門の方でも見てみると……お、じゃん。

ん……しかも、あの副部長と手なんて繋いでる……。

いくら、あの婚約……でいいのか?

ま、とりあえず、の顔ぶった責任って形で副部長付き合ってるようなもんなのに普通に仲良さげじゃん。

いや、もしかしたら、の奴が脅しかけてるのかもしんねーけど……。

そんなことを考えてると2人す姿が屋根に隠れて見えなくなった。

もうじき教室にも来るだろうな……もーちょっとー……。

「よう、見たぜー。」

ガラッとが戸を開けて入るなり、そうやって声をかけると、が机にカバンを置きながら『何を?』と首を傾けた。

が副部長と手ぇ繋いで登校してるの。」

「そりゃあね、付き合ってますもの。ふっふーん♪ 彼女のいないバカ也くんには羨ましかろう。」

うわ、この言い方マジムカツク。ここであのイ○ンのCMの『ふっふーん』はスゲームカツク!

「べっつにー、お前みたいな変な女と付き合えても嬉しくねーよーだ。」

勝ち誇った顔をしてるに舌を出して精一杯の皮肉を言ってみるけど、には全然通じず……。

それどころか、仕返しのノロケ攻撃が……!

「でも、真田さんは『顔のことは申し訳ないと思っているが、どんな形であれお前と出会えてよかった』って言ってくれたしー。

手ぇ繋いでも普通に握り返してくれたし。電車の中でも人に押されたりしないように……。」

あーもういいもういい! よりによって副部長とのノロケなんて聞きたくないっ!

つーか、責任とるような感じで付き合った割には副部長ってばに惚れまくってんな……どー見ても援助k(ryにしか見えないのに。

いやいや、とにかく、ノロケをやめさけるにはー……。

ッ! 先生来る前に一戦!」

そう言って俺がカバンからPS○を取り出すと、 がノロケを中断してニヤリと笑った。

……こ、この悪役全開な笑いはが本気の顔だ……くそ、ボコボコにされる!

いや、でも昨日も部活から帰ってちょっと練習したんだぜ……ハードは無理だからノーマルで。(ちなみにはハードの上のマニアック)

1発くらい攻撃入れてやるぜ!

あ、目標低いって言うなよ? の奴、マジで強いんだからな!?

「さーて、今日は誰でやろっかなー♪」

とか言ってが選んだのは、が一番得意なキャラクター。

ああ、これは、どう考えても……。

…………今日もパンチ1発もいれられずに先生が来た。

くっそー、いつか『参りました』って言わせてやる!

俺は○SPをカバンに仕舞ながら何十回……いや、何百回目のリベンジを誓った。





きーんこーんk(略

「ふあ……HR終わり……?」

「終わったよ。アンタ6時間目からずっと寝てたね。」

だって、英語とか『寝てくれ』って言ってるようなもんだぜ。むしろ寝なきゃ損。

……ったく、なんで日本人なのにアメリカの言葉なんか覚えなきゃいけないんだよ……。

やるのはジャッカルセンパイくらいでいいじゃねーか。ってか、あの人どこの国の人だったっけ?

「バカ也くん、英語は元々イギリスの言葉でございますわよ。そして、ジャッキーさんはブラジルの人ですわん。」

どこかで俺の独り言になってたのか、が嫌味な口調で訂正してくる。

別にどっちでもいいっつーの。

「これから部活でしょ。目が覚めないならミンティ○でも鼻に突っ込んであげようか?」

「や、やめろよ! 起きる! 起きた!」

耳元でシャカシャカとミン○ィア(しかも辛いやつ)のケースを振る音に俺はビックリして立ち上がる。

……いっぺん、マジにやられたんだよな、鼻に……あれは凶器だぜ。

あとなんだっけ。寝てる俺の鼻ん中にハバネ□のカケラ入れられたりとか……あー、思い出すだけで恐ろしい!

「じゃ、部活行こっか。」

お前の場合『真田さんに会いに行こっか』だろ。

ま、俺としてはセンパイばっかの部活に同い年の友達が来てくれるのは大歓迎だからいいけど。

……ただ、ちょーっと心配なトコがあんだよな。





――あ、丸井くんだ。可愛いーっ!

――仁王センパイ、カッコイイー★

――幸村くーん、こっち向いて〜♪

……あーもー、毎日毎日うるせぇな。何言ったってセンパイ達はお前らなんか見ないっつーの。

きゃー、カッコイイーっとか言っちゃってさ。ほんっと毎日邪魔でしかないぜ。

べ、別に俺は名前呼ばれたいとか思ってねぇよ!

別にこんなキャーキャー言ってる女にモテても仕方ないもんな!

「いやーん、バカ也くんカッコイイー。抱いてー♪」

……不機嫌全開な俺への嫌がらせかなんか知んねーけど、アニメ声っつーの?

やたらと可愛い子ぶった高い声で、周りの女子と似たようなこと横から言ってきた。

つーか、『バカ也』とか言ってる時点で声援じゃねー!

「……全ッ然嬉しくねー。」

「えー、さっきから全然エール貰ってないから、優しいあたしがエールを送ってあげたのに。」

本当に優しい奴はもっと他のことしてくれると思うけど。

まぁ、でもこうやって俺にバカなことやってくれるのはだけだと思う。

こーゆー友情って大切だぜ、うん。

すると突然、がやたらと高い声で応援してるギャラリーを見ながら、感心してんだか呆れてんだが、わかんねー感じで口を開いた。

「いっつも思うけど、あたしには理解出来ないなー……。ラスボス様達ってカッコイイの?」

……そりゃあ、真田センパイを『可愛い』と言い張るお前には一生理解出来ないと思うぜ。

「普通にカッコイイとかカワイイとかいうタイプじゃねーの? つーか、男の俺にそーゆーこと聞くなよ。」

幸村部長は俺の中でカッコイイとかそんなんじゃなくて、むしろ怖い。

がつけた『ラスボス様』ってニックネームは合ってると思うくらい。

「ふぅん。ま、どーでもいいや。行こう行こう。」

ここで会話は終了、俺達は小走りでテニスコートから部室へと向かう。遅れると面倒だし。

やっぱりコートの周りに女子達は面白くないって感じの顔をしてら。

けど、は気にする素振りもなく俺の前を走って行った。やっぱこいつ図太いよな、神経とか。







、悪いんだけど。大至急これ職員室まで持って行ってくれない?」

次から次へと色んなところへ転がっていくボールを慌てる素振りもなく、マイペースに拾ってはカゴの中に入れてくに幸村部長が何やらプリントを渡した。

「大至急……ですか。タイムリミットでもあるんですか?」

ただでさえ散らばりつつあったボールはが球拾いをやめたことで、至るところに散らばってゆく。

……マイペース過ぎるのもどーかと思うぜ、ホント。

リターン練習の為に俺へサーブを打ってくれてる副部長の横にあるカゴも、あとちょっとでカラッポになる。

「うん、5時までに顧問の先生に提出。」

「5時……あと10分ですねぇ。遅れるとマズイんですか?」

さっき部長が『大至急』って言ってたのが聞こえなかったのか、はスッゲーマイペースに質問なんかしてる。

俺だったら『ヤバイ!』とか言って走ってるとこだっつーのに。

「そうだね。部に予算が入らないかもしれない。ダッシュで行ってこようか。」

部長っ!? のんびりした感じで言ってるけど、それムチャクチャ重要なヤツなんじゃっ!?

つーか、『大至急』と言ってたくせにこの人も全然慌ててねーっ!

「あー……じゃあ、ダッシュじゃないとマズイですねぇ。じゃあ、走ってきます。」

『マズイですねぇ』じゃなくて、早く走れよ! と心の中で激しくツッコむとはそれに応えてくれたのか、やっと駆け足で俺の横を通り過ぎテニスコートの外へ向かう。


どたっ


「いたっ……!」

「……なっ……!」

俺は後ろで転んだ音よりも、ちょうど向かい側でサーブ打ってた副部長の顔が急に赤くなったのに驚いた。

急にボールをポトッって地面に落とすんだぜ、スッゲー変顔で。思わずガン見しちゃったじゃん。

つーか、副部長固まったまんまだぜ……何があったんだ?

そう思って、後ろを振り返るとが何事もなかったかのように立ち上がって、制服のスカートをはたいてるとこだった。

嫌味っぽい女子がクスクス笑ってるのも聞こえてたけど、は特に気にする様子もなく走る。

転んだだけだろ……? 一体、何があったってんだよ……。

すると、隣のコートでサーブ練習してた仁王センパイがニヤニヤ笑いながら、俺には意味不明なことを副部長に叫んだ。

「真田ーっ! 見たんじゃろ? 水玉模様!」

水玉模様って何・・・・?

「なにをっ……! お、俺は断じて綾辻の下着など、見ておらん!」

「嘘つけぃ。じゃあ、なんで水玉ってだけで綾辻のパンツだってわかったんだよ。」

「お、おい。やめろってブン太。下着の模様も立派なプライバシーだぜ。」

「そうですよ。女性のし、下着の模様についてなど、大声で言うものではありません!」

センパイ達の台詞を聞いてるとー……みんな、見たんだな。

俺が副部長の変顔に気を取られてる隙に……。

「センパイ達のパンツ見たのかよ! 俺見てねーのに!」

い、いや、別に見たかったってわけじゃねーけど……こ、好奇心ってやつだよ、うん!

だって、みんな見てんのに俺だけ見てないとか……嫌だろ?

「なんじゃ、赤也は見とらんのか。まさにカルピス柄っちゅー感じやった。なぁ、柳生?」

「わ、私はそんな細かいところまで見てませんよ。君じゃないんですから、偶然目に入ってしまっただけです!」

「ジャッカルー。お前も見たんだろぃ? 綾辻のパンツ。」

「パンツパンツ連呼すんなっつーの。見えたのは見えたけど!」

なんだよ、全員バッチリ見てやがんの。すっけべー。

「貴様らーっ! 嫁入り前に娘のし、下着を凝視するなど、たるんどる!」

「よく言う。弦一郎が一番凝視していたのだぞ。」

「ち、違うっ、俺はだな……その……!」

うーわ、最悪だ。自分が一番たるんどる。

っつーか、柳センパイは何をカリカリ書いてるんだ……のパンツのこと? だとしたら、もっと最悪じゃん。

「まぁ、弦一郎にベタ惚れなのことだし。弦一郎が頼めば見せてくれるんじゃない? パンツくらい。」

部長……女みたいに綺麗な顔してなんてこと言ってんだ……ファンが減るぜ。

まぁ、幸いあんまり聞こえてないみたいだけどさ。

とりあえず、副部長の台詞は聞こえてんだろーな。さっきからギャラリーに指さされて笑われてるし。

「あいつが、そんなふしだらなこと言うか! いい加減にしろ!」

「何をいい加減にするんです?」

「決まっておるだろう! 綾辻のし、下着の話だ! 」

「ふぅん、あたしの下着についてねぇ・・・・・。」

全員(一部除く)ハッと気づいたときにはもう遅かった。

コートの入り口には右ひざから血をだらだら流したまま、仁王立ちしているが……。

「やぁ、おかえり。間に合ったようだね。」

「はい、もうバッチリですよ。転んだせいでひざを負傷しましたが。」

「部室に救急箱がある。後で手当てしてやろう。」

「ありがとうございます。」

一部除いた冷静なセンパイ達は至って普通にと話している。

まるでさっきの話がなかったかのように、普通に、いつも通りに……。

「な、なぁ……。もしかして、怒ってんのか?」

俺が恐る恐る聞くと、は悪役(しかも幹部クラス)みたいに口の端を歪めて笑った。

「ふぅん、バカ也くんは怒ってる人間が笑うと思うのかしらぁん?」

なんだよ、その口調っ! っつーか、その見下すような感じの目は確実に怒ってるだろ!

「で、でも一番ガン見してたのは副部長だって柳センパイが言ってたぜ! 怒るなら副部長怒れよ!」

「なっ、赤也、お前……!」

自分でやっときながら酷いと思うが、ここは副部長を生贄にの怒りを回避だ!

だって、こいつ怒ると何するかマジでわかんねーんだもん……。

それにベタ惚れの副部長相手にこいつもそんなに怒らないハズ!

副部長は焦りながらも俺を睨むけど、他のセンパイ達からこっそり拍手をもらってる。

「ナイスじゃ、赤也!」

「グッジョブ! 天才的ぃ!」

「真田……すまん。だが、サンキュー、赤也。」

「……気の毒ですが、助かりました。」

まぁ、被害者は少ない方がいいし、あと、いつも殴られてる仕返しもこっそり入ってたり。

「え〜、真田さんが一番見てたんですか〜?」

多少怒りは収まってるようだけど、まだ口調がおかしい。わざとらしく語尾なんか延ばして気持ち悪ぃ。

「い、いや……その、俺は、お前が転んだから……それが心配で……。」

女子相手に後ずさりをしながら言い訳なんて、情けない姿をさらしまくりの副部長だけど、相手が未来の嫁じゃーしょうがない気がする。

つーか、これは確実に尻に敷かれるってやつだよな。

「……本来なら、転んだ時点で駆け寄るべきだったのだが。すまん、侘びになるかわからんが……。」

「え、あっ……。」

そう言って、副部長はケガをしているをひょいっとを抱き上げた。

これはも予想してなかったのか、目を丸くしたまま抱き上げられている。

「せめて、手当てだけでもさせてくれ。」

軽々しく を持ち上げる副部長を不覚にも男らしいと思ってしまった……くそ、見た目オッサンのくせに!

はこれで機嫌が直ったのか、抱えられながら部室を指さして、どっかのアニメでありそうな台詞を楽しそうに言った。

「喜んで! それじゃあ、システムオールグリーン、専用機真田さん、出撃してください♪」

「な、なんだそれは……。」

副部長はの台詞に首を傾げながらも、を抱えたまま部室へ出撃していった。

横には俺達もいるし、コートの周りにはギャラリーがいるってーのに、これっぽっちも恥ずかしがる素振りも見せずに。

のパンツ見たとき、スッゲー顔赤くしてたくせにな。

「……不覚にも真田がカッコイイなんて思っちまったぜぃ。」

「パンツの話題んときは無様じゃったのにな。」

「まぁ、ある意味バランスとれてるカップルだよね。」

悪い意味のない溜め息が混じった声で、幸村部長が副部長が出撃していった部室を見てそう言った。

「そうだな。二人とも少々ズレているしな。」

うん、うん、うん、うん、うん、うん。

その通り、全然間違いございません。柳センパイの言うとおりです。全員が1回ずつ無言で頷いていった。

しばらく経って、と副部長が戻ってきたけど、二人ともご機嫌ではパンツ見たことに関しては何も怒らなかったし、

副部長に至ってはいつも1発は誰かに食らわしてる鉄拳を今日は1発も発動することなく、太陽は平和に沈んでいった。

がいると真田副部長が鉄拳発動させない!!!(っつか、発動率が下がる)

俺は一部のセンパイ達と一緒に二人の仲を全力で応援することにした。






終える

 
 

 
コメント
パンツ見せました、ごめんなさい。
パンちらとかでなくもろですいません。
でも、中学生だしパンツとか興味あると思うんだー。

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