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どりーむな文章
教えてマスター!【生物編】
※性格や設定は連載モノと似たような感じです
 キャラ破壊、品のないネタ注意
 
 


 

日も傾き出し、グラウンドの片付けも終わった。

今日も大変だったが気持ちよく練習出来ていると思う、まぁもーちょい相方が動いてくれりゃいいかなとは考えたりもするが。

そんなことを考えながら俺は汗だくで、椅子に引っ掛けていたタオルを取ろうとすると……。

「なー、綾辻ー。そこの変な色のタオル取ってくれぃ。」

ブン太がうちの参謀とは対照的に、よく電車やらで使ってる人を見かけるタブレット端末とやらで、黙々とデータ整理をしているマネージャーの綾辻に声をかける。

「おまっ、それ俺のタオルだろうが!」

っていうか、変な色ってなんだよ。色落ちしたタオルをいつまでも使ってて悪かったな!

「いいだろぃ。別に減るもんじゃねーし。」

そんなぶー垂れるブン太の頭にぱさっと俺のタオルが投げられた。俺のタオル……。

「丸井、あまりを顎で使うんじゃない。」

「さっきから座ってゲームをしている奴を甘やかすのもどうかと思うが……。」

フォローする柳に真田はそう言って少し顔をしかめながら、綾辻がひっきりなしに指を滑らせる画面を一瞥した。

あ、なんだよこいつ、数独してやがる。真剣な顔してると思ったらこれかよ。

「まぁ、そう言うな、弦一郎。3分前まではデータ整理をしていた。」

「今日はやけに優しいですね。」

綾辻はわざとらしく感心した口調で、画面から目を離さず数独を続けたまま柳に話しかける。

こいつ2年のくせに、幸村相手でもこーゆー態度だから見ているこっちがヒヤヒヤするんだよな。

「明日には来るからな。体調も芳しくはないだろう。」

「はぁ、まぁ絶好調とは言い難いですね。で、何が来るんです?」

横で聞いている俺も同じことを思った。『何が』来るのか言ってくれないとまったくわからん。

「……スケジュール帳を見れば、98%の確率でわかる。確認しておくといい。」

柳はそう言って未だに遊んでいる綾辻からタブレット端末を取り上げると、電源を落として綾辻のロッカーを指差した。

あれって、そんな簡単に電源切れるもんなのか。すげーな。

「教えてくれたっていいじゃないすか、ケチだなー。」

ぶちぶちとボヤきながらも綾辻はロッカーからカバンを引っ張り出してゴソゴソと中を漁る。

横から仁王が覗き込んで『ゴチャゴチャしとる』、とか言ってるがヤツは気にしない。

数十秒後、ようやく目的のスケジュール帳を見つけ出して、パラパラとめくる綾辻の動きがピタッと止まった。

「どうした、なんかあったのか。」

少し様子が変なので心配して駆け寄ってみると、『ヤバイですよ』と呟いて続ける。

「……ジャッコーさん、パないですよ。ルナルナマスターですよ。」

「なんだそりゃ。」

マスターってことは柳のことを言ってるんだろうが、前に付いている言葉の意味が理解できなかった。

「ルナルナって何すか?」

「あれじゃ、お月様のことを教えてくれるんじゃ。」

「はぁ、そんなんじゃわかんねーよ。お月様ってなんだよ。」

「丸井くん、切原くん、あまり突っ込んで聞くものではありませんよ。」

一部のわかってる奴とわかってない奴の温度差が激しい。

ちなみに、俺は……察してきた。

「生理だよ。ルナルナは生理の日を教えてくれるサイト。」

来たよ、どストレート。わざわざ濁した仁王や諌めた柳生の気遣い台無し。

「ストレートに言うね。ダメだよ、生々しい話をしちゃ。ここには彼女なんて出来たことない可哀想なジャッカルと真田がいるんだから。」

「悪かったな、彼女出来てなくて!」

クラスメイトの女子曰く『優しげな笑顔』が遠慮なくハートにグサグサと攻撃してくる。

あくまでも『優しげ』なだけで『優しく』はないんだよな、この天然ドS!

「いやいやてゆーか、なんで柳先輩がそんなんわかるんだよ。」

顔で苦笑い、心で泣いている俺をさておき、赤也が冷静なツッコミを入れる。そうだ、なんでわかるんだ。

「排卵日から推測出来る。」

「なんで排卵日がわかるんじゃ。」

「きっとルナルナマスターだから、排卵日の予測もバッチリなんですよ。」

「まず排卵日がわかるから、ルナルナマスターなんじゃねーの?」

「というか、排卵日がわかる蓮二が気持ち悪いね。」

「そもそも、俺は排卵日ってのがわかんないっす。」

「……君たち、排卵日排卵日と連呼するのはやめたまえ。」

こんな会話、絶対キャッキャ言いながら練習見学してる女子達に聞かせらんないな……。

そんで、なんだかんだ言って俺と真田以外全員が『排卵日』という言葉を口にしてるし……なんだよこの空間。

「そうだぞ。そ、そもそも、そう言った話は女子の前ですべきではない!」

俺もあるわけじゃないが、こーゆーのに一切耐性がない真田が顔を赤くさせながらも頑張って注意する。

頑張ってる……真田すげー頑張ってる……けど……!

「それにしても、よくそーゆーのわかりますね。」

真田ガン無視で綾辻は感心したように、柳の顔を見上げる。

俺はどっちかっつーと幸村と同じように『気持ち悪い』って方が先に来るんだが……付き合うとそうでもないんだろうか。

のことはどれだけデータを取っても足りない。あまり言うとセクハラになるが、この程度のことならお安い御用だ。」

こいつとんでもないことを言いやがる……。

柳はふっと笑って、二人からはさも恋人らしい空気になっているが、そんな和やかなもんじゃない。

さっきのでも充分セクハラだよ!!!とツッコミたいのを俺は物凄く我慢している……きっと真田、柳生、そこらへんの常識人は確実にそうだ。

「じゃあ、セクハラで訴えないから、もうちょい言ってみてくださいよ。」

「やめんか! 生々しくて聞いているこっちが恥ずかしい!」

耳まで真っ赤になってる真田の制止を無視して、柳は優しげに微笑んで最低なことをつらつらと言う。

「そうだな……スリーサイズは勿論、部屋の見取り図、愛用している下着のメーカー、今着けている下着の色くらいならわかるぞ。今日も上下バラバラなんだな。」

これ絶対警察に届けたらストーカー認定くらうよな……怖ぇよ。

「……柳くん、女性の下着の柄をとやかく言うものではありませんよ。」

「えっ……女子ってパンツとブラの柄一緒じゃねーの?」

「甘いな、ブン太。それは夢の見過ぎやの。」

俺もそう思ってた、とは言わないでおこう。

そうか……上下バラバラなのか……。

「把握されてますねー。まぁ、私も柳さんの下着の柄くらいは把握してますけどね。」

いつの間にか取り返したタブレット端末を抱えた綾辻がそう不敵に笑ってみせた。

「流石はだな。」

「これでも誰かさんの彼女してますからね。」

どうやってパンツの柄なんか把握してんだ……と思ったけど、綾辻は俺らが着替えているときも気にせず部室にいるんだった。

普通は見えないようにするもんなんだろうが、俺も相当感覚がマヒってる。慣れってのは恐ろしい。

「なんでこいつら、お互いにパンツの柄把握してんだよ。おかしいだろぃ。」

「彼女欲しいけど、こんなカップルは嫌だよねー。」

「幸村くん、しーっ!」

着々と心の壁を構築していく俺達をさておき、二人は仲睦まじく微笑み合うばかりだった。

俺は……普通の彼女が欲しいな。





ストーカーじゃないよ!




コメント
ストーカーで気持ち悪い柳さんが書きたくて勢いで書きました☆
柳さんは全部把握しないと気が済まないタイプ。
ある種のヤンデレですね、明るいヤンデレです。

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あきゅろす。
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