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戦国拍手ログ
2006年2月


ふと通り掛かりの部屋を覗くと、何やら考え込んでいる名無しさんの姿があった。どうやら二つの菓子を目の前に、何か悩んでいるようである。

「何してるんだい?」

「…へ?…あ、慶次様!」

慶次は部屋に入ると名無しさんの隣に座った。

「どうした?小難しい顔して」

「それが…」

彼女曰く、どちらを今日食べるか悩んでいたようだ。一つは干菓子、一つは煎餅なので、腐る心配はない。慶次なら両方食べたっていいじゃないかと思うが、そうではないらしい。

「だって、せっかくですから明日の楽しみに取っておきたいですもの!」

そう強く力説する名無しさんに、慶次は思わず笑ってしまった。

「たしかにそうだな。だが…」

そういうと、慶次は二つの菓子をそれぞれ半分ずつにした。

「…あの…?」

戸惑う彼女に、慶次は半分の菓子を返し、もう半分は自分の掌に乗せる。

「こうすりゃ二人で二つの味を一度に楽しめるだろう?で、明日は俺と一緒に甘味処に行くってのはどうだい?いい案だろう?」

「…はい!」

名無しさんの花の様な笑顔を見て、慶次も嬉しそうに笑った。



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