CH拍手ログ 2010年12月 「すっかり冬だね」 葉を散らした公園の木々を見て、香がそう撩に言った。 「まぁ、12月だしな」 今日もナンパに精を出し、香にハンマーで潰され、なんたかんだで買い物に付き合わされた撩が、興味もなさそうにそういう。 「あ〜、寒くなるともっこりちゃんも厚着しちゃって、撩ちゃん寂しい」 心底残念そうに告げる撩に、香は呆れ顔を浮かべる。 「ホント、アンタってそれしかないのねぇ」 「男のロマンが解らんのかね香クンは」 「解んないわよ。ほら、さっさと帰ろうよ、帰ったらあったかいコーヒー淹れたげるからさ」 そういいながら柔らかく腕を組んできた香に、撩は気付かれないよう笑みを浮かべる。温かい存在を確かめるように、ほんの少しだけ身体を寄せ、寄り添うように家路を辿った。 [*前へ][次へ#] |