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夢見の部屋
赤色に混ざる浅葱色
[新選組side]

夜の街中を走る浅葱色の軍団。
泣く子も黙る新選組だ。


「あ〜、ついてねーよなー!」


「今月に入ってこれで三度目だよね、嫌になるよ、ほんと。」


「てめぇら、愚痴こぼしてねぇでさっさと探せ!」


上から、
八番組組長 藤堂平助、
一番組組長 沖田総司、
新選組副長 土方歳三。

絶対にキャラ被りのない三人組が、其処にいた。
もしもあの中に混ざれといわれたら、全力で拒否するだろう。

拒否権って素晴らしい。


「それにしても…声は聞こえるのに、姿が一向に見えてこないですね。」


「だが気配はする。その気配を辿れば奴らに遭遇するだろう。」


「早く見つけねーと、また千鶴みてーなやつが出てきちまうよなぁー…」



吹いていた風が止み、辺りは静寂に包まれた。
その時、微かに、本当に微かに声が聞こえた。


ー助けて
ーーたすけて


「「「!!!!!」」」


「平助の言った通りになっちゃうかもね…!」


「ちっ…面倒事にならねぇといいが…!行くぞ!お前ら!!」


「言われなくてもわかってるっつーの!!
って、うわっ?!」

ドンッ


何かが平助のすぐ隣を抜けた。かなりのスピードだ。



「って、人じゃん!おーい!止まれって!!」


「ちっ、そっちは!!」


「あーぁ、不味い展開になっちゃいましたね、どうします?土方さん。」


「うるせぇ!追いかけるぞ!!」


バタバタバタバタ


「あいつ、速くね?!」


「ひょっとしたら、ただの町人じゃないのかもね。強いといいなぁ〜。」


「物騒なこといってんじゃねぇ総司!今は追いつくことだけ考えやがれ!」


大通りから外れた路地に入る。人一人でしか入れないような幅だ。


「狭っっ?!こんなん新八っつぁんが通ったら抜けなくなるっつーの!」


「うわー、ほんと狭い。僕は入らない方が良いかもねー。」


「平助!お前一人でいけ!俺たちは出口と入口で待機する。」


「了解っ!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あーやっと抜けたー…って!誰も居ねーじゃん!!」


「総司ー!そっちに新撰組の奴らいるかー!?」


「いるよ!今対峙してるとこ!!平助はこないでね、僕の獲物だから!!」


「あいかわらずだよなー、総司は。
さてと。土方さーん!!誰かそっちいるー?!」


「平助!こっちこい!総司も終わり次第来い!!」


[土方side]

厄介なことになりやがった。

目撃者が二人も出やがった。ありえねぇ。しかも逃げ足がとんでもなく速ぇ。いつ逃げられるかわかったもんじゃねぇ。

だから、釘を指しとく。多分無駄なんだろうがな。


「悪いが、ここは通せねぇな。」


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あきゅろす。
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