夢見の部屋
始まりの雨
―つまらない…
この世の中は何故こうも平穏なのだろう…
お前も、そうは思わないか、実央?
―不謹慎ですよ、時雨様!この国は、現在進行形で戦が起こってるんですから、平穏なんて、とんでもないです!
ーふむ、私にとってはあれは戦とはいえないのだがな…
あれはただの喧騒ではないか。人間特有の。
ー…どこの国に銃声と血の飛び交う喧騒があるんですか!
ー私は一度、魂の飛び交う喧騒に参加したことがあるが?
ー…もういいです…
ーしかし、この国は少し興味深い。
ー…え?
ー鬼と人間が共存する世界ー…実に面白そうだ。
ー時雨様、もしや、人間界へ行くつもりなのですか??
ー不味いか?
ー当たり前です!時雨様がいない間、時空間の均一はどうなるんですか?!
ーなに、また他の誰かに頼めばいいだけの話だ。
つまらないことをぐちぐちと言うな。
…行くぞ、実央。
ー…ええ?!ちょっと…待ってください時雨様ぁ!!
こうして…
気まぐれな神と、一人の少年の、時空間を超えた旅が始まるのであった。
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