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小説




「めちゃくちゃ気持ち良さそうな顔してる」

「……まぁな」

「痛くないのかな」

「……さぁ」

「……なぁ、俺らもやってみない…?」



ツバサの目が、熱を含んでこちらを見据えていた。






「んあ…っ!」



抵抗は、一応した。
バレてしまうのを、恐れたから。
本当はずっと、ツバサとこうなる日を望んでいたこと。
ツバサを思いながら、毎夜一人で自分を慰めていたことを。



「ヤッバ…ッ、すげ、気持ちいい…っ」

「ああっ!ひ、あああっ!」

「透夜…可愛い…っ」



……まさか、自分が抱かれる側になるとは、思ってもみなかったけれど。


身長は俺の方が拳一つ分程高かったし、当時俺が高二であいつは高一。
つまり、年齢も俺が上。
何よりツバサはとても可愛い顔をしていて、男どころか女を抱く姿さえ想像するのが難しかった。
その顔で、おっぱいは巨乳じゃなくて美乳に限る!なんて言うもんだから、初めのうちはその違和感に悩まされたものだ。


セックスの最中もそのあとも、俺はツバサに気持ちを伝えることはしなかった。
怖かったんだ。
あいつに、突き放されるのが。
このときあいつが俺とセックスをしたのは、男同士の行為というものに興味があっただけだということは、言われなくても分かっていた。





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