小説 8 「だ、大輝…?」 「……あんたは俺のこともうどうでもいいのかもしんないけど、俺は良くない」 「だい、き…」 「俺はあんたが好きなんだ。あんた以外はいらない。 それを身体に分からせてやる」 「っ大輝!!」 ――ブチッ! 制服の前が乱暴に開けられ、千切れたボタンが辺りに散らばる。 現れた白い素肌に、581番は貪るように吸い付いた。 「やめろッ!大輝!!」 「あんたの肌、俺の印で一杯にしてやるよ…」 「…っ」 首筋に顔を埋めてそこに強く噛み付く。 くっきりと歯形が残ったのを確認すると、次は獣が傷をいたわるような仕草でそこをペロペロと舐めだした。 「ん…っ、大輝…俺はお前のこと、どうでもいいなんて…」 「黙って」 「んむ…!」 まるで口を塞ぐかのように激しくキスを仕掛ける。 舌を絡め、口内を舐め回し、歯列をなぞる濃厚なキス。 あのとき、頬にされたキス一つで顔を真っ赤に染めていた男のすることとは思えない。 「んんっハァ…!大輝…っ!誰か、来たら…!バレたら、マズいだろ…?」 「…バレた方が都合が良い。見つかればここを出るのも遅くなる」 [前へ][次へ] [戻る] |