小説 5 「なぁあんた、最近人が多いとこばっかにいるようになったよなぁ。一人が寂しくなっちまったのかぁ?」 「俺達が友達になってやろっか。お・と・も・だ・ち!」 「………」 ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら話し掛けてくる男達。 581番にそれに答える気はない。 「なんだよシカトかぁ?感じ悪ィなぁ」 「せっかく話し掛けてやってんだぞ?なんとか言えよな」 「………」 まるでそこには誰も存在しないかのように、黙々と作業を続ける581番。 その態度に、男達が顔色を変えた。 「おい、いい加減にしろよ?なにすました顔してんだコラ!」 「調子に乗りやがって!大体入ってきたときから生意気な奴だと思ってたんだよ」 「そうそう!なんかたまに安藤ちゃんと隅でこそこそやってるしさぁ?」 「…安藤ねぇ、あいつ520番達には優しいけど、俺らにはスゲェ厳しくね?なんっかムカつくんだよな」 581番に文句を付けていたはずが、いつの間にか安藤のことへと話を変える。 「えー?安藤ちゃん可愛いじゃん!俺ヤっちまいてー!」 「はぁ?お前ホモかよ!…いやでもいいかもな。ヤったらおとなしくなるかもしんねぇ。皆でマワしちまうか」 「わぁ賛成ー!」 [前へ][次へ] [戻る] |