[携帯モード] [URL送信]

小説




「おい、どこ行くんだよ!」



ご主人の、悔しいことに裾の長いズボンが走りづらい。
首周りも合っていないから、肩がベロンと曝け出されてしまっている。



「黙ってついて来い」

「引っ張んなっ!腕痛いって!」

「……ここでいいか」



グイグイと腕を引っ張られて連れて来られたのは、大きな通りから結構入った所にある路地裏。
割と拓けた空間で、こんな場所が家の近くにあるなんて知りもしなかった。



「ここ、何なんだよ」

「俺達の溜り場だ」

「俺達?」

「ああ、俺の…仲間、だな」



仲間?
こいつ、いかにも悪そうな見た目をしてるから、もしかしたら不良仲間か何かかな…



「てか、こんな所に連れて来て何する気だよ」



俺はまだ、ちびの件のショックが抜けきれてないってのに。



「お前…さっきはよくも俺様の足を踏んでくれたな」

「はぁ?」



足?
そんなもん、踏んだ覚えはないんだけど。



「お前のでかい身体で踏み付けられて、俺様の美しい足に傷が付いちまった」





[前へ][次へ]

9/38ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!