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小説




あれ?


そこに広がっていたのは、想像していたものとは全く異なる光景。
ちびはキラキラした目でこちらを見つめ、自らも征幸の足に顔を擦り付けている。


あれ、あれあれ?



「ラブラブ、ですね」

「君とちびもね。仲が良くて羨ましいよ。ビッグは僕より、ちびの方が好きみたいだから」

「あ、えっと…。じゃあ俺達、お先に」

「うん、またね」



何かがおかしい。
ちびに纏わり付かれて歩きづらそうにする征幸の後ろ姿を見ながら、俺は茫然とする気持ちを隠せない。



「ビッグ?」

「にゃーん」



心配そうに俺を見つめるご主人と、たいそうご機嫌そうなミケ。
俺は数秒経ってやっと我に返り、慌ててちびの後を追い掛けた。
そのときにグニッとミケの足を踏んでしまったけれど、今はそれどころではない。



「わぉーん!」
(待てちびこのやろー!)



俺の叫びにビクッと歩みを止めるちびと征幸。
半ばご主人を引きずりながら彼らの元に辿り着くと、俺はちびの上に覆いかぶさって奴の動きを封じた。





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