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小説




「セ…!?くそっ離せ!」

「ほら、コーヒーが零れると言ったでしょう。動かないで」



後から考えてみれば、カップに入ったコーヒーなんて、数分あれば冷めてしまうものだ。
火傷なんてたかが知れている。
けれどこの時はそんな簡単なことにも頭が回らないほどパニックに陥っていて……
それがますます加納を喜ばせるということにも、気付いてはいなかった。



――ギュッ



「…っ」

「なかなかいいモノをお持ちですね。やりがいがある」



男はおもむろに俺の自身を掴み、大きさを確かめるように何度も強く握り込む。
こんな状況で反応するはずもないそれを、楽しそうに笑いながら弄んでいる。



「うーん、やっぱり直接触った方が良さそうですね」



うちの会社の作業着はウエスト部分がゴムで出来ており、ベルトをする必要がない。
普段は着替えが楽でいいと感じていたが、今日ばかりはこの脱ぎやすい服が恨めしい。


ズボンと下着は加納の手により一気に引き下ろされ、俺はキッチンの明るい光の下で下半身を外気に曝されることになってしまった。





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あきゅろす。
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