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小説




「なんだ、お前も小便か?」



前に向き直って声をかけるが、何故か返事がない。
不思議に思いつつも用を足し終わったブツをしまおうとすると、背後からニョキッと二本の白い手が現れた。
そしてそれは、何の躊躇いもなく俺のチンポを掴む。



「おい、雅?」

「………」

「小便したばっかだし、きたねぇぞ」

「……下條さん」



声に覇気がないように感じて後ろを振り向こうとすると、背中にグリグリと顔を押し付けられる。
奴の行動の意味がよく分からなかったが、とりあえずしたいようにさせることにして、俺は再び前を向いた。



「今日…」

「ん?」

「今日、楽しくなかった…?」

「いや?別にそんなことは――」

「嘘。だって下條さん、全然魚なんて見てなかった…」



そりゃ魚になんて大して興味はねぇからな。
こいつ見てる方が楽しかったし。



「イルカのショーだって、始まる前に席を立っちゃうし…」

「それはこうしてトイレに――」

「大体、起きたときも全然出掛けたそうじゃなかった…」





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あきゅろす。
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