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小説







三上さんと別れて、午後からの仕事。
午前中は別のビルを清掃していたため、まずは準備から始める。


実はこの度、俺はめでたく独り立ちをした。
三上さんのことで頭がいっぱいでその機会を逃したこともあったが、その後なんとか盛り返して、数日前から一人で仕事をしているのだ。


ゴンドラを屋上からしっかり繋ぎ、いざ清掃開始。
いつも通り最上階の端、つまり秘書室から窓を拭き始めると、中にいた秘書さん達が楽しげにこちらに手を振ってくれる。


……のはいいんだけど。



(まただ…)



そこに、三上さんの姿はない。
何か用があって席を外しているのかもしれないけれど、俺の頭を過るのは社長室で見たあの光景。



(三上さんって社長さんの愛人、なのかな…。それとも、何か弱みでも握られてるとか…?)



正直、三上さんが弱みを握られたくらいで素直に人の言うことを聞くとは思えない。
というか、彼に弱みなんてものが存在するとは思えない。
……いやでも、俺が「社長さんとのことをバラされたくなければ俺との関係を続けて」って言ったら、舌打ちしながらも了承していた。
これって一応俺は、弱みを握ってるってことだよな?





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あきゅろす。
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