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小説




「あの、あの人は…?」

「ああ、今社長室よ。三十分くらい前に呼び出しがかかったの」

「きっともうすぐ帰ってくるよ。だからそれまで私達とお話してよー?」

「え、でも仕事は…」



俺の言葉に彼女達はいーのいーの、もう昼休みだし!と答えて、俺をソファに座らせると、お茶まで用意してくれる。
それをありがたく戴きながら、俺の頭には一つの単語がひっかかっていた。



(社長室、か…)



もしかして、またあんなことやってるのかな…



「純平くん、お仕事は順調?」

「ここに来てるってことは、今日はこのビルの清掃の日だよね?」



秘書さん達の様々な問い掛けになんとか返事をしながらも、頭の中に浮かぶのは以前見たあの光景。
いやいや、ダメだ。
昼間っから俺はなんてことを思い出して…



(でも、彼はその真っ昼間からあんなことを…)



そうやってしばらく悶々としていると、扉が静かに開く音がして、一人の男性が姿を現した。



「あ、室長!純平くん来てますよ」

「……チッ」



この場に相応しくない舌打ちをしながら部屋の中に入ってきたのは、もちろん三上さん。
俺の目的の人物だ。





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あきゅろす。
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