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小説







ごめん、ちび。


今ならお前の気持ち、ちょっと分かるかも。








俺はビッグ。
只今、お向かいのアパートに住む犬のちびに、絶賛アタック中だ。
散歩の時間を合わせたり、ボディタッチをしてみたり、絶え間ない努力を続けてきた。


だけど、俺には手強いライバルがいる。
そのライバルってのは人間で、ちびの飼い主でもある征幸。
あいつは、ちびと一緒に住んでるからって調子に乗ってるんだ。
この間だって、俺の目の前でいちゃいちゃいちゃいちゃとあんなことを…!


このままでは征幸にちびを持っていかれちまう。
考えに考えた末、俺は一つの作戦を思い付いた。
その作戦ってのは……



「にゃーん」



(お、ちょうどいいところに!)



「わん!」
(ミケ!)

「にゃーん!」



こいつは猫のミケ。
なかなか可愛い女の子。
確か、アメリカンなんちゃらって種類だったはず。
なのにミケ?ってのは置いておくとして…


こいつは最近近所に引っ越してきたらしく、迷子になっていたとこを助けてやったのが俺達の出会いだ。
それからというものミケは俺に懐いちまったみたいで、よく家を抜け出しては俺の家(犬小屋)にやって来る。





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