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小説







「下條さん、もうお昼だよ」

「んー…」



誰かの声が聞こえる。
柔らかくて心地の良い、けれど少し子供っぽい声。
こんな声を聞かされちゃ、ますます眠くなっちまう。



「今日は一緒に出掛けてくれるって約束してたでしょ…?ねぇ、起きて?」

「んんー…あと五分…」

「もう今の台詞六回目…!起きないなら襲っちゃうよ」



薄らと目を開けてまず一番に目に入ったのは、至近距離にあるふっくらとした赤い唇。
少しずつ視線を上げていくと、小さくて形のいい鼻。
そして、瞬きする度に音がしそうな程に長い睫毛に縁取られた、大きな目。


こいつは、あの発展場で出会った少年、雅だ。
ギリギリ18くらいかと思われた年齢は、実は21と結構大人だった。
あの後俺はこいつを家に連れ込んで、半同棲状態が続いている。
初めの頃はそりゃもう枯れちまうんじゃないかってくらいにヤりまくっていたが、最近の俺は――



「……無理…。朝勃ちも、疲れマラにもなんねぇ…」

「………」



仕事である長距離トラックの運転が立て続けに入り、見事に疲れ切っていた。





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