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小説




「和広くん…っ、急にどうしたの…?」




橘さんが不安そうに潤んだ目で俺を見上げてくる。


いつもなら鼻血もののその表情だが、今は身体中の血がアソコに集まっているために、鼻まで回る余裕はないみたいだ。




「なんか俺、変で…っ」


「え…?」


「ほら、これ分かるでしょ…?」




俺はその言葉と共に、すでに完勃ちになっている自身を彼の太腿に押し付ける。




「あ…」




目を見開いて、俺を凝視する橘さん。


俺はというと、彼の柔らかい太腿に自身が擦れる感覚が堪らなくて、必死になって腰を前後に動かしていた。




「はぁ…はぁ…!」


「和広、くん…なんで…?」




なんでって、俺にだって分からないよ…


正確に言えば、半分は分かるけれど、あとの半分は分からない。


あんなに何度もマグカップを確認したというのに、お馬鹿な俺は一体どこで間違えたんだ?


ああ、とにかくミステイク…!


だけど当然そんなことを言えるはずもなくて…




「分かん、ない…っ」




俺は初めて、橘さんに嘘を吐いてしまった。





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