小説
2
今日金曜日は、彼が俺の家に遊びに来る素晴らしい日だ。
「今日は鼻、大丈夫だった?」
橘さんは俺が頻繁に鼻血を出すことを、ただ単に鼻が弱いせいだと思っている。
「あ、はい!」
まさか、あなたを見ていたら自然と流れてきちゃうんですなどとは言えるはずもなく、俺は笑顔で誤魔化す。
ならよかった、とふんわり笑う橘さんは、やっぱり綺麗だ。
「ご飯出来てるけど食べる?それとも先にお風呂にする?」
それとも…僕?なんて付け加えてくれたら最高なんだけど。
「ご飯にします!」
もちろん言えるわけもない。
付き合って約一年。
それなりにやることはやってきた俺達だが、彼はそういったことには淡泊な性質らしく、一般的なカップルに比べれば行為の回数は少ない方だと思う。
しかも、彼は今まで自分から求めてきてくれたことは一度もなく、いつも俺ばかりが誘うのは凄く寂しい。
そこで。
今日の俺は秘密兵器を用意してしまいました。
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