小説
1
「都築くん、これ次の会議の資料なんだけど、目を通しておいてくれるかな?」
「た、橘さん…!」
ああ、今日話すのはこれで三度目だ…!
「都築くん…?」
「は、はい、分かりましたっ」
「ふふ、じゃあよろしくね」
……いかんいかん、つい見惚れてしまっていた。
それにしても可愛い。
そして美しい!
よろしくねって首を傾げる仕草がたまらん!!
思わず鼻血が噴き出そうになりました。
なんて罪作りな人なんだ橘さん!
俺は、同じ課の橘芳樹さん(27歳男)にベタ惚れだ。
さっきはなんとか耐えたけれど、彼と話していて鼻血を垂れ流したことなど数知れず。
そんな俺の姿を見て周りが気付かないわけもなく、俺の橘さんに対する気持ちは同じ課の人達にはすでにバレバレだった。
だけど。
一つだけ、皆も知らないことがある。
それは……
「た、ただいまー!」
「おかえり」
そう言って笑顔で俺を迎えてくれたのは、なんとあの橘さん。
そう、実は俺達、一年程前から恋人同士なのだ。
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