小説
４
「ここで水を流すと、なんだかシンク下で変な音がして…」
「分かりました。ちょっと見てみますね」
「お願いします。あ、コーヒーでも入れますね」
彼が豆やミネラルウォーターを取り出してコーヒーを入れる準備をするのを横目に見ながら、シンク下の扉を開け、中に置いてあった調理道具を一つずつ外に出す。
キッチンには他にもたくさんの収納スペースがあるせいか、その数はあまり多くはなかった。
何もなくなった扉の中を覗いてみるが、一見したところでは特に異常は見られない。
もっとよく確認するために、俺は腕まくりをして上半身をシンク下のスペースに突っ込んだ。
「うーん…パイプの方は特に異常はなさそうなんですが…」
「そうですか…」
妙に近いところから声が聞こえた気がしたが、特に気にせずに確認作業を続ける。
「繋ぎ目も緩んでないし…中で詰まってるのかなぁ」
パイプを一旦外して確認してみるか…と考えていると、腰からケツにかけてを何かがスッと撫でる感触がした。
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