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小説




「あ、はい、分かりました。場所はどこですか?」



仕事はもう終わりだと思っていたが、仕方ない。
困っている人がいたら迅速に解決、が俺のモットーだ。
俺は社長に依頼主の家の住所を聞くと、一度大きく息を吐き出して、すぐにその場所へと車を走らせた。








「うーわー…」



目の前にそびえ立つのはかなり立派な高層マンション。
しかも、依頼主はここの最上階に住む人間らしい。



(こんないいとこに住んでるなら、もっと大きな会社に頼めただろうに)



そんなことを思いながらもエントランスで部屋番号を入力して、相手が出るのを待つ。



「はい」

「あ、ご依頼をいただいて、水道の修理に来ました。池沢と言います」

「ああ、お待ちしてました。すぐに開けますね」



インターホンに応答したのは若い男。
声を聞くかぎりでは、俺とそう年齢は変わらなそうだ。



(いいよなぁ、こんな凄い所に住めるなんて。一体どんな仕事してる人なんだか)



三台ものエレベーターが並ぶホールに立ちながら、俺はこれから会うことになる人物について想像を巡らせた。





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