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突然立ち上がった俺にイアンさんは一瞬驚いた表情を浮かべたが、すぐに元の穏やかな顔に戻って彼も立ち上がり、ゆっくりとした足取りで俺の方へと近付いて来る。




「あの…!えっと…!」




(ち、近付かれると反応してるのがバレる――!)




頭の中ではそう叫んでいるのだが、もちろん口になんて出せるわけがない。


だが、徐々に俺と彼の間にある距離は縮まって。


結局まともな言葉も発することが出来ないまま、俺はいつの間にか窓を背にした状態で彼に追い詰められていた。




「ユーヤ…」


「あ、あの!達也、探さないと…!」


「うん…」


「お、俺…やっぱり下に降りて直接―――」




探してきます、という言葉は、彼の唇によって遮られた。




「んン――っ!」




(なんで…!?なんで俺、キスされてるの!?)




至近距離にある顔を目を見開いて凝視するが、彼もまた俺を見つめているために恥ずかしくなって視線をそらす。


近くで見るには、彼の顔はあまりに美しすぎた。





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