小説 8 「っ!」 自分の顔が赤く染まっていくのが分かる。 どこかの国の王子様のような容貌をした彼に今の行動は似合いすぎていて、しかもそれをされたのは自分だということが、ますます俺の頬を染めた。 「可愛いです、ユーヤ…」 「な、な、なんで…っ」 「ふふ」 彼は俺の慌てる様子を見て笑ったかと思うと、いまだ掴んだままだった俺の指を、今度はなんと口に含み始めた。 「――っ!イアンさんっ!?」 人差し指に始まって、中指、薬指…それらを一本一本丹念に舐め上げていく。 「や…、イアン、さん…っ」 おかしい…… ただ指を舐められているだけなのに、背筋をゾクッとした何かが走る。 そして、目を伏せていた彼が上目で俺を見た瞬間、身体中の熱が一点に集まるのが分かった。 「…っ!」 慌てて手を引き、立ち上がる。 (な、んで俺、反応してるの…?) 目で確認しなくたって分かる。 俺の自身は、確かに緩く勃ち上がっていた。 [前へ][次へ] [戻る] |