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小説




「……剛、ちょっとついて来て」


「はい?」


「いいから来て!」


「え、ちょっ、智春さん!?」




(そこまでして認めないなら…)




ふとあることを思い付いた俺は、まだ服もまともに着ていない剛を無理矢理引き摺って建物を出た。








辿り着いた先は、事務所からほど近い場所にあるラブホテル。


ここはたまに撮影で使わせてもらっているため、男同士で入っても咎められる事はない。




「と、智春さん…っ!こんな所で何するつもり…」


「何って、ナニ?」


「!?」




俺は、何かを言いたそうに口をパクパクさせている奴を綺麗に無視して鍵を受け取ると、再び剛を引き摺って部屋へと向かった。






――ドサッ




「…っ」




腕を引っ張ったままの力を利用して、剛をベッドに放る。


ようやくさっきまでの金魚のような状態から脱した奴が慌てて起き上がろうとするのを押さえ付け、その太腿に股がった。




「智、春さん…?」


「確かめさせてよ」


「はい…?」


「お前があれは演技じゃないって言うなら、それを俺の前で証明して」





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